むくみとはなんでしょうか?
むくみは、専門用語では浮腫(ふしゅ)といいます。
何らかの原因によって、血液中の水分が血管の外に異常に浸み出し、皮膚ないし皮膚の下に水分が溜った状態です。慢性化して放置していると、重大な病気がひそんでいることもあります。
手・足のむくみチェック
慢性のむくみは、冷えや静脈炎、歩行困難などを誘発し、生活の改善をしていかないといけませんが、糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞などのような生活習慣病から起こることもあります。
むくみは、寒い季節に起こることが多く、運動不足や食生活の乱れ、睡眠不足、ストレスなども発生の要因となります。
むくみを感じて不快な場合は、その症状の原因が何なのか、きちんと理解し、ほかの病気を引き起こさないように注意していくことが大切です。
むくみに関わっている可能性がある病気
心臓の病気
心臓疾患によって血液を送り出す力が低下するなどして、むくみが生じることがあります。
肝臓や腎臓の病気
肝臓で作られるアルブミンというタンパク質は、血液中(血清)の総タンパク質の約60%を占め、血液中の水分を一定に保つ役割があります。
肝臓の機能が低下してアルブミンが少なくなると、血液中の水分が血管の外へ出やすくなり、むくみがあらわれます。
腎臓は、からだの水分を調節し、老廃物を尿として排泄します。
腎臓の機能が低下すると、からだの中の余分な水分を尿として排出できなくなり、からだに溜まった余分な水分によりむくみがあらわれます
下肢静脈瘤
脚(下肢)の静脈には、血液を逆流させないための静脈弁がついています。静脈弁の異常によって血液が逆流して滞ると、ボコボコとした瘤が生じたり、血管が透けて見えたり、むくんだりといった症状が現れます。
深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)
飛行機やバスに乗車したとき、長時間窮屈な姿勢をとると、脚の静脈に血栓が生じやすくなります。血栓が生じると、血流が滞り、むくみが出現します。 寝たきりでも、同じような現象が起こります。 予防のためには、十分な水分補給、弾性ストッキングの着用、ふくらはぎの筋肉を動かす体操などが有効です。
すぐに病院を受診すべき、手・腕のむくみがある場合に関連する病気もあります。
右心不全
心臓の右室から肺に血液を送り出す力が弱まることで生じます。肺に送れなかった血液が右心系に滞り、全身から心臓に戻る静脈血が滞るようになり、その結果、肝臓が腫れたり、腹水が溜ったり、頸静脈が膨れ上がったり、手足がむくんだりします。
うっ血性心不全
心不全によって、臓器や血液に「うっ血(血液の流れが悪くなり、滞ってしまうこと)」が起こっている状態です。よくある症状としては、息切れ、激しいせき、胸の痛み、手足のむくみ、夜間の頻尿などがあげられます。
肝性脳症
重度の肝疾患がある人において、正常なら肝臓で除去されるはずの有害物質が血液中に蓄積して脳に達することで、脳機能が低下する病気です。肝性脳症は長期にわたる慢性の肝疾患がある患者に発生します。
長く続くむくみにはまず検査をお勧めします。
血液の逆流が起きても、痛みなどの症状が出ないため、気づかずにいることがとても多く、女性の場合40%以上の方の足に逆流が起こっているともいわれています。
むくみはそれ自体が悪化して病気になることはあまりありませんが、むくみの原因は血液の滞りにありますので、放っておくのは決して良いこととはいえません。
まずは検査をして、現在の身体の状態をしっかりと把握しましょう。